山の神の独り言(2021/1/12)

「新雪の上に動物の足跡を追って」


 七福神の森にも雪が降って、いよいよ冬本番という季節になったよ。山の神は雪が降っても山の仕事は続くので、仕事の方にはあまり影響ないんだけど、雪が降ると山は楽しみが増えるんだよね。
 雪の降った森には色々な発見があって面白いんだよね。
その一つが、新雪に残る動物の足跡を見つけることだよ。
雪の無い時には、野生動物の足跡って分かり難くて、日本カモシカのフンとか、熊のフンとかを見つけると、ここを通ったんだとか、ここで休んだのかとか分かるけど、フンは森の中の点に過ぎないので、動物の行動を追跡するという意味では物足りないんだよね。
 その点、新雪に残った動物の足跡は点々と続き、時には一か所に沢山の足跡がついていて、動物の移動経路とか行動パターンが手に取るようにわかるので楽しいんだよね。

 動物の足跡にも特徴があるのは皆知っていると思うけど、その足跡の形から動物を推測するのも面白いよね。
 今のところ、七福神の森にはウサギ、日本カモシカ、キツネもしくはタヌキの足跡が見られるけど、さすがに雪の上の熊の足跡は未だ発見していないんだよね。
雪が降る前には熊のフンがあちこちに落ちていたけど、雪が降ってから熊はあまり活動していないのかもね。

 仕事での林内移動の中でも、動物の足跡を追いかけながら、こんな寒い時に動物たちは何を考えて歩いているんだろうなと考えながら足跡についていくと、なにか知らないけど動物に対する親近感がわいてくるんだよね。
 自分も自然に溶け込んで、動物の目線になっている感覚かもしれないね。

2021年01月28日