山の神の独り言(2021/2/8)

「山の神、下枝払いで耐震構造の原理を体験する!」


 耐震構造の建物って知っているよね。
超高層ビルなどで、地震の時にビル自体がしなやかに揺れることで、地震のエネルギーを発散して壊れない構造のことだよね。

 つい最近、長周期地震が起きて超高層ビルがゆらゆらと揺れているニュース映像を見たことがあると思うけど、あれが耐震構造なんだよね。
耐震構造って、もともと五重塔などで使われていた技術らしいよね。
棟の中心にある木の心柱が柔軟に揺れて振動を発散するので、火事で焼失した五重塔はあっても、地震で倒れた五重塔は無いと言われているんだよね。
超高層ビルは、建物の構造で揺れに耐える様な構造にしているんだけど、五重塔って、心柱の構造だけで耐震力が出ているんだよね。
木の柔軟性のなせる業だということだよね。

 山の神も木の柔軟性を実感する出来事を体験しているんだよね。
ここのところ、杉林の下枝払いをしているので、木にしがみつきながら地上6mの場所で作業しているわけなんだよね。
そうすると、風の強い時など風を受けて木が揺れるんだよね。
木って樹高の3分の2に枝を大きく広げた構造になっているから、風に対しては帆船の帆のような役目をしているんだよね。
強い風が吹くと風にあおられて木がたわむんだよね。
木がたわむと、木の柔軟性による反動で元に戻ろうとして、それこそ五重塔の心柱のようにゆらゆらと揺れるんだよね。
そこにしがみついている山の神も木と一緒に揺れるわけで、耐震の原理を身をもって体験しているんだよね。
木の上で揺られて思うことは、木の持っている柔軟性って素晴らしいということだよ。
 風害にあって木がなぎ倒されている森林も良く見るけど、手入れが行き届いていないと風害の被害を受けるんだよね。
 もともと木は風などで倒れないような柔軟な植物なんだよね。

2021年02月09日