山の神の独り言(2022/11/21)

『稚魚の放流事業に学ぶ自然界の厳しさ』


11月11日の『七福神の森写真』でも紹介した、《七福神の森の中/田屋向平》の脇を流れている青平川の清流には魚も居るんだけど、小さい奴がまばらにしかいなくて、小魚が群れをなして泳ぐ姿が見られないんだよね。
七福神家の大家さんは向平の七福神の森で作業する度に青平川を眺めては「もう少し魚影が濃くても良いのに!」といつも思っているらしいんだよね。

先日、大家さんが「なあ、山の神・・・青平川にニジマスの稚魚を放流したら、もっと魚影が見れて楽しいと思わんか?」と言うわけよ。
山の神が「大家さん、ニジマスは基本的に日本の固有種の魚ではないから、自然豊かな青平川へ放流すると、日本固有の生態系を乱すもとになるからあまり感心しませんよ!」と答えたら、「そうか自然破壊はいかんな!」と言ってしばらくその話はしなくなったんだよね。
そしたら、しばらく経ってから「山の神、ニジマスが駄目ならヤマメとかイワナはどうだろうか?」と言ってきたんだよね。
山の神は「ヤマメとかイワナなら日本固有の魚種だから良いかもしれませんけど・・・」と答えを濁して曖昧に答えておいたんだよね。
でも山の神としても「ヤマメとイワナだったら日本の固有種だし自然に馴染むかな?」と思って、ヤマメとイワナの放流事業に関して資料を調査してみたんだよね。
そし分かったことは、ヤマメもイワナも、放流して成魚になる確率は、3~5%という研究結果が出ていたんだよね。
100匹放流して3~5匹しか成魚にならないなんて「コスパ悪い!」と思ったんだよね。
でもよくよく考えると、それが自然の法則で、それだけ自然は厳しいという事なんだよな・・・!と納得もしたんだよね。
山の神は青平川の自然の景観に魅せられて、川の中で生存競争を戦っている魚たちの厳しさを実感できないけど、自然の美しさの中にはそんな厳しさもあってこその自然なんだよなと、つくづく自然の偉大さに畏敬の念を抱いたんだよね。

2023年01月07日