山の神の独り言(2023/1/27)

『山の神、白銀の森でウサギを追う!』


七福神の森で作業していると、いろんな動物に出くわすことが多いんだけど、ウサギって意外と見ることが無いんだよね。
新雪に見つかる動物の足跡ではウサギの足跡が最も多いんだけど、雪原でウサギに遭遇することって足跡の数ほどは多くないんだよね。

先日、七福神の森の揚ノ沢という所で林内監視をしていた時なんだけど、当日は湿った雪が降っていて、木々に重い雪がべっとりと着いている状態で、木々の枝も雪の重みで垂れ下がっていたんだよね。

そんな中、杉林の中で青々とした葉っぱの杉の木が倒れていたのを見つけたんだよ。
最近その付近では杉の木を切った覚えはないので、誰かに切られたか?と思ったんだけど、どうやら雪の重みで木が折れたらしく、倒れた杉の木の先端部分がこんもりと雪を被って雪山のようになっていたんだよね。

杉の木の先端って、枝と葉っぱが沢山あるので、雪を被ると枝の中が空洞になって動物の住処に適した空間を作り出すんだよね。
山の神も、何か動物でも居ないかなと思って杉の葉に積もった雪を少し払ったら、突然白ウサギが飛び出してきて、雪の上をまっしぐらに逃げて行ったんだよね。
山の神も突然の事だったので、「えっ!」とビックリして、足り去る白ウサギを見送るしかなかったんだけど、杉の枝葉の雪室でのんびり休んでいた白ウサギを驚かせてしまって「申し訳ない!」と思ったんだよね。
それにしても、走り去る白ウサギの美しかったこと。
銀色の雪原にマッチした優美な走りだったんだよね。
これからもあの白ウサギ達が、七福神の森で優雅に暮らせるように森を守らなくてはと思って、自然の大切さを再確認したんだよね。

2023年01月27日