山の神の独り言(2021/3/29)

『雪霧』


冬が終わる時期になると気温が上がり、雪ではなく雨が降る日が多くなるよね。

北国では3月下旬辺りまで根雪が残っているので、気温が上がって雪ではなく雨が
降ると、雪に落ちた雨が雪で急激に冷やされて『雪霧』が発生するんだよね。
『雪霧』という言葉は、正式な気象用語ではないらしいんだけど、新潟などの根雪が
多く残る地域では、春先の雨で雪面から発生する霧の事を『雪霧』と呼んでいる
らしいんだよね。

山の神が住む下北半島も、根雪の残る地域なので、3月になると雪霧が発生するん
だよね。
結構大規模に発生するので、高速道路の視界が悪くなったり、地上1m程度の部分だけ
霧がかかっていたり、面白い現象が発生するんだよね。
雪霧が発生すると交通などに支障は出るけど、白い雪面から上がる霧が風に乗って
山々のすそ野を動く風景は幻想的で素晴らしいんだよね。

霧って条件さえそろえば春夏秋冬出るわけで、それぞれの季節なりの趣はあると思う
けど、真っ白の雪面から上がる雪霧は、白と白が織りなすモノクロの世界が冬の景色を
一層盛り上げるんだよね。

雪霧が出ると、山の神は「春の先発隊が来たか」と思う一方で、一面に広がる雪野原を
見ると「春は名のみの雪の冷たさよ」と思うんだよね。

2021年03月29日